ドローン技術の進化と産業活用の広がりにより、日本国内でもドローン関連企業が注目を集めています。特に、テラドローンやブルーイノベーションなど、新規上場を果たした企業も登場しています。本記事では、ドローン市場の現状と将来性、日本で上場している注目の関連銘柄、そして投資家として注目すべきポイントを網羅的に解説します。

ドローン市場の成長性と注目される理由
ドローン市場は今、“社会インフラ”へと進化中
かつてはホビー用途が中心だったドローンですが、現在ではインフラ点検、物流、農業、災害対応、警備、エンタメなど、産業用途の拡大によって急速に社会インフラ化が進んでいます。
とくに日本においては、少子高齢化による人手不足の解決策として、ドローンの実用化に国を挙げての取り組みが行われています。
総務省や経済産業省による支援策も年々拡大しており、今後の成長産業として明確な期待が寄せられています。
市場規模は国内・世界ともに右肩上がり
以下は、矢野経済研究所が発表したドローンビジネスの市場予測です。
年度 | 世界市場(推定) | 日本市場(推定) |
---|---|---|
2022年 | 約2.6兆円 | 約2,000億円 |
2024年 | 約3.2兆円 | 約2,500億円 |
2025年予測 | 約4兆円 | 約3,000億円 |
特に注目すべきは、日本市場の成長ペースです。わずか数年で1.5倍以上の市場拡大が見込まれており、これは法整備の進展や補助金制度、民間企業の導入拡大が要因となっています。
法規制の整備と“国家資格制度”が後押し
2022年12月に施行された「ドローン国家資格制度(無人航空機操縦者技能証明)」の登場により、安全性と信頼性が向上し、大企業や自治体による導入も加速しました。
また、2023年からは機体登録制度が義務化され、飛行ルールも明確化。これにより、ドローン産業が社会に定着するための“基盤”が整ったといえます。
政府主導の成長戦略にドローンが組み込まれている
政府は2025年を目標に、都市部におけるドローン物流の実用化や、災害現場での自律飛行ドローンの導入支援などを明記した「空の産業革命ロードマップ」を公表。
この政策の一環として、多くの上場企業がドローン関連事業に参入し、研究・開発や実証実験に巨額の投資を行っている点も、投資家にとっては重要な視点です。
DX・AI・5Gとの融合がさらなる加速要因に
- **DX(デジタルトランスフォーメーション)**によって、ドローンで取得した映像・測量データがリアルタイムでクラウド処理可能に。
- AI技術を活用し、自動航行・障害物回避・画像解析などが高度化。
- 5G通信により、遠隔地からの精密な操作が実用化。
これらのテクノロジー融合により、ドローンは単なる「空を飛ぶカメラ」から、「自律的にタスクをこなす産業ロボット」へと進化を遂げつつあります。
次のセクションでは、実際に日本で上場しているドローン関連銘柄を一覧で紹介し、どの企業がこの成長市場で注目されているのかを具体的に解説していきます。

日本で上場しているドローン関連銘柄一覧(2025年最新)
近年、ドローン産業の急成長に伴い、日本国内でもドローン関連事業に注力する企業が続々と登場しています。特に2023年以降はドローン専業企業の上場が相次ぎ、投資家からの注目が急速に高まりました。
ここでは、2025年時点で日本の証券取引所に上場している代表的なドローン関連企業を一覧にまとめ、各社の特徴や注目ポイントをご紹介します。
■ ドローン関連銘柄一覧(2025年最新)
銘柄名 | 証券コード | 主な事業内容 | 上場市場 | 注目ポイント |
---|---|---|---|---|
テラドローン | 278A | 測量・点検・農業用ドローン開発、空飛ぶクルマ関連 | 東証グロース | 世界展開中のドローン企業。NTT、西武HDなどと提携。国内最大規模の民間ドローンサービス。 |
ブルーイノベーション | 5597 | ドローン・ロボットの遠隔制御・統合管理プラットフォーム | 東証グロース | 複数機体の同時管理を可能にする「BEP」で産業用管理に革新。文科省・東大と連携した実績も。 |
ACSL(自律制御システム研究所) | 6232 | 完全国産自律型産業用ドローンの開発・製造 | 東証グロース | 官公庁向け納入実績が多く、物流・警備・点検分野での展開が注目されている。 |
リベラウェア | 5586 | 狭小空間向け屋内点検用ドローンの開発・製造 | 東証グロース | 独自の小型ドローンでインフラやプラント内部点検に特化。ニッチ領域で強みを持つ。 |
イームズラボ | 4891 | ドローン素材や部材、センサー関連開発 | 東証グロース | 航空宇宙・ドローン向けの最先端素材・機器メーカーとして注目。 |
ユアサ商事 | 8074 | 産業用ドローンの販売・導入支援 | 東証プライム | 商社としてドローン関連の製品調達・導入を支援。ACSLなどとも提携。 |
クレアホールディングス | 1757 | 再エネ+ドローンを活用した次世代インフラ事業 | 東証スタンダード | ドローンによる再エネ施設点検や測量などを展開中。低位株として短期資金の流入も。 |
エス・サイエンス | 5721 | 新素材・AI・ドローン装置開発に着手 | 東証スタンダード | 銅事業から再生エネ・次世代分野へ。ドローン関連では防犯装置などへの応用を模索中。 |
GFA | 8783 | ドローン×仮想通貨事業など、新規分野への参入 | 東証スタンダード | ドローンによる物流・輸送と仮想通貨との融合を構想。高リスク・高ボラで注目される低位株。 |
■ 解説ポイント
- 専業ドローン企業の台頭
テラドローン、ブルーイノベーション、ACSLなど、ドローンを主力事業とする企業が東証グロース市場を中心に上場し、専門技術や市場優位性で高く評価されています。 - 異業種からの参入型も注目
クレアHDやエス・サイエンスのように、従来の事業に加えてドローン技術を取り入れ、新たな収益源を模索する動きも活発です。 - 低位株への資金流入傾向
一部のドローン関連銘柄は低位株として、短期的なテーマ株投資対象になっており、ボラティリティが高い点も投資家の注目を集めています。
注目銘柄ピックアップ:テラドローンとブルーイノベーションの強みと投資妙味
日本におけるドローン関連銘柄の中でも、**テラドローン(278A)とブルーイノベーション(5597)**は、特に注目を集めている企業です。両社はドローン専業でありながら、異なる技術領域と市場アプローチを展開しており、投資先としての妙味も豊富です。
テラドローン:グローバル展開と空飛ぶクルマへの挑戦
■ 企業概要と特徴
テラドローンは、2016年に設立された民間ドローンサービス企業の中でもトップクラスの実績を誇ります。インフラ点検、測量、農業支援、エネルギー管理などの領域で、ドローンによる自動化・省人化を実現しています。
さらに、テラモーターズと連携して「空飛ぶクルマ」事業にも進出。これにより、空の次世代交通インフラを見据えた長期的成長ストーリーが注目されています。
■ 投資妙味
- NTTやENEOSなど大手企業との資本・業務提携
- ドバイ、サウジアラビア、インドネシアなど海外展開が急速
- グローバル売上比率60%超という稀有な日本企業
世界的なドローン需要を取り込んでおり、中長期視点での成長銘柄として評価されています。
ブルーイノベーション:複数ドローンの統合制御技術で差別化
■ 企業概要と特徴
ブルーイノベーションは、「Blue Earth Platform(BEP)」という独自の統合管理システムを開発し、複数のドローンやロボットを同時に遠隔操作・管理できる点で業界をリードしています。
点検・警備・物流・教育分野において、自治体や大手企業と連携した実証実験を多数展開。文部科学省や東京大学との産学官連携実績もあり、公共分野での信頼性が非常に高いのが特長です。
■ 投資妙味
- 「複数機体の遠隔操作」は今後のインフラ点検や災害対応に不可欠
- SaaS型プラットフォームによるストック型収益モデルを構築
- NTT東日本、セコムなどとの戦略的提携
堅実なBtoBビジネスで安定した成長が見込まれ、リスクの低い中長期投資先として注目されています。
比較表:期待の高い、テラドローン vs ブルーイノベーション
項目 | テラドローン | ブルーイノベーション |
---|---|---|
主力事業 | 測量・点検・空飛ぶクルマなど | ドローン統合管理プラットフォーム |
グローバル展開 | 〇(海外売上60%以上) | △(国内中心) |
顧客層 | エネルギー、建設、海外政府機関など | 官公庁、教育機関、インフラ企業など |
成長の柱 | 空飛ぶクルマ・海外展開 | プラットフォーム×SaaS型モデル |
リスク | 新興市場ゆえの収益不安定 | 専門性が高く市場が限定される可能性 |
投資家への魅力 | グローバル市場への急拡大が期待される | 安定成長型で堅実な中長期投資が可能 |
まとめ:両銘柄はタイプが異なる成長株
テラドローンは「グローバル展開型のスケールアップ銘柄」、ブルーイノベーションは「堅実に成長を遂げる技術型銘柄」として、どちらも投資家にとって注目の存在です。
特に日本政府が進める「空の産業革命」やインフラ老朽化対策の文脈で、今後の需要は拡大必至。将来のテンバガー候補としてのポテンシャルも秘めています。

ドローン関連株への投資リスクと注意点
ドローン関連株は成長産業として注目されている一方で、投資には特有のリスクも存在します。ここでは、投資判断を行う際に考慮すべきリスクと注意点を具体的に解説します。
① 市場規模は拡大中だが、競争は激化している
ドローン市場は、政府の支援や新たな産業ニーズにより急速に拡大していますが、それに伴い新規参入企業が増加しており、価格競争や技術競争が激しくなっています。特に海外勢との競争は厳しく、日本企業がグローバル市場で勝ち抜くにはさらなる技術革新や差別化戦略が求められます。
② 技術革新のスピードが速く、陳腐化リスクが高い
ドローン業界ではAI、通信技術、バッテリー性能など多くの要素技術が関係しており、進化のスピードも非常に早いです。そのため、今主力となっている技術が数年後には時代遅れになる可能性もあります。
投資対象企業がこうした技術変化に柔軟に対応できる体制を持っているかどうか、R&D体制や特許取得状況なども確認しておくと安心です。
③ 政策や法改正の影響を強く受ける
ドローンの運用には航空法や電波法、道路交通法など多くの法律が絡みます。このため、法改正や規制強化によって事業に大きな影響が出るケースがあります。
たとえば、夜間飛行や目視外飛行が制限されることで、一部のサービス提供が困難になるリスクも。投資先企業が法制度の変化にどのように備えているかをチェックすることが重要です。
④ 上場後まもない企業はボラティリティが高い
ドローン関連銘柄には、2023年~2025年にかけて上場した新興企業が多く含まれています。これらは将来性が高い一方で、短期的な業績の変動や株価の乱高下が起きやすくなります。
IPO直後の初動で過熱感が出た場合、その後しばらく調整局面に入ることも。長期的視点を持ちつつ、投資タイミングには慎重を期す必要があります。
⑤ 実際の事業収益化まで時間がかかるケースも
特に「空飛ぶクルマ」や「自動配送ドローン」などの次世代分野は、社会実装がまだこれからの段階です。企業がいくら技術力を持っていても、利益化するまでに時間と資金を要する可能性が高く、短期での成果を期待する投資には不向きです。
事業計画と実際の売上推移に乖離がないか、IR資料や四半期決算のチェックを怠らないようにしましょう。
まとめ:リスクを知れば、より良い投資判断が可能に
ドローン関連株は魅力的な成長テーマである反面、特有のリスクも抱えています。しかし、それらのリスクを正しく理解し、企業の中長期ビジョンと技術力、財務体質を見極めることで、リターンを最大化するチャンスになります。
「期待だけで飛びつく」のではなく、事実とデータに基づいた投資判断を心がけましょう。
2025年注目のドローン関連株:今後の成長が期待される企業と将来性
ドローン市場の成長とともに、日本でも注目されるドローン関連株が続々と登場しています。ここでは、2025年時点で今後の成長が期待される注目企業を厳選し、各社の強みや展望を解説します。
1. ACSL(6232)|日本製ドローンのトップランナー
- 主な事業内容:産業用ドローンの開発・販売(点検・物流・災害対応用)
- 強み:官公庁案件への対応力・国産ドローン開発・自律飛行技術
- 将来性:政府の「ドローン国産化」支援政策との連携により、中長期的に需要拡大が見込まれる
- 最新動向:自治体との物流実証実験が進行中。海外展開も模索。
ACSLは、政府が推進する「セキュアなドローン」市場で圧倒的存在感を放っており、今後の防災・インフラ点検ニーズの高まりを受けてさらに躍進が期待されています。
2. リベラウェア(5581)|狭所特化型ドローンで差別化
- 主な事業内容:建築物やプラント内部の狭所専用ドローンを開発・販売
- 強み:独自の「超小型」・「高耐久」ドローン技術
- 将来性:インフラ老朽化が進む中、配管・タンク内の点検需要が急増
- 最新動向:大手建設会社や鉄鋼業との提携が進行中
リベラウェアは「ニッチ×高精度」で独自市場を確立。競合が少なく高利益率を維持できるのが魅力で、長期保有にも適しています。
3. クリーク・アンド・リバー社(4763)|ドローン人材育成&空撮業務に強み
- 主な事業内容:クリエイター派遣・制作請負/ドローン事業も拡大中
- 強み:空撮プロフェッショナルのネットワーク・人材教育ノウハウ
- 将来性:ドローン需要の拡大とともに、人材育成・派遣事業が高成長中
- 最新動向:地方自治体やメディア関連企業との連携強化
空撮・測量・イベント撮影など、映像需要が伸びる分野に強みを持つ同社は、ドローン関連銘柄として今後ますます評価されるでしょう。
4. セック(3741)|自動飛行・制御系ソフト開発が強み
- 主な事業内容:宇宙・防衛・ロボット制御などのソフトウェア受託開発
- 強み:ドローン制御ソフトウェアの開発力・防衛分野での実績
- 将来性:ドローンのAI・自律飛行制御市場の成長と連動
- 最新動向:国策関連のプロジェクトにも参加中
ハードウェアではなくソフトウェアでドローン市場を支える企業として、安定的な成長が期待されます。収益の柱が複数ある点も安心材料です。
5. テラドローン(278A)|IPO期待の有力企業
- 主な事業内容:ドローンによる点検・測量・物流のソリューション提供
- 強み:世界規模の事業展開・シリーズC資金調達で話題
- 将来性:2024年11月に上場し期待が高い企業として注目
テラドローンは、グローバル展開と大型資金調達によりドローン業界をリード。上場後の投資対象として多くの投資家がウォッチしています。2025年3月は株価10,000円の大台に突入し盛り上げていたが、トランプ関税への不安から世界同時株安もあり、株価は約8,000円近辺で推移している。年高は10,740円、年安2,804円となっている。
注目ドローン関連企業比較(2025年3月時点)
企業名 | 証券コード | 上場市場 | 主力事業 | 将来性 | 直近株価動向(3月) |
---|---|---|---|---|---|
ACSL | 6232 | 東証グロース | 自律型ドローン開発 | 高い | 上昇トレンド |
リベラウェア | 5581 | 東証グロース | 狭所点検用ドローン | 高い | やや調整中 |
クリーク・アンド・リバー社 | 4763 | 東証プライム | 空撮・人材派遣 | 中〜高い | 安定推移 |
セック | 3741 | 東証スタンダード | 制御系ソフトウェア開発 | 中〜高い | 緩やかに上昇中 |
テラドローン | 278A | 東証グロース | 測量・物流ドローン | 非常に高い | 急上昇 |
ドローン業界と日本政策の関係:規制緩和と成長支援の動き
日本のドローン産業は、国の支援と規制緩和の後押しを受け、急速な市場拡大を遂げつつあります。政府主導によるドローン活用の推進は、関連企業の成長にも大きな追い風となっており、投資家からも注目を集めています。
政府の「空の産業革命」ロードマップ
経済産業省と国土交通省は、ドローン活用を含む「空の産業革命に向けたロードマップ」を策定し、下記の段階的な目標を掲げています:
フェーズ | 内容 | 実施時期(予定) |
---|---|---|
フェーズ1 | 人がいる場所での目視外飛行(補助者あり) | 2020年実現済 |
フェーズ2 | 人がいない場所での目視外飛行(補助者なし) | 2022年実現済 |
フェーズ3 | 人がいる場所での目視外飛行(補助者なし)=レベル4飛行 | 2023年12月実現済 |
フェーズ4 | 複数ドローンの同時運用・都市部での物流本格導入 | 2025年以降 |
特に2023年12月に解禁された「レベル4飛行」によって、都市部での物流や警備、災害対応など、新たなビジネスモデルが現実化しています。
ドローン規制の緩和と新制度の導入
日本では安全性を担保しつつ、ビジネスの発展を促進するために、以下のような制度が整備されてきました:
- 「機体認証」と「操縦者技能証明」制度(2022年12月〜)
国が機体の安全性を審査し、操縦者には国家資格を求めることで、レベル4飛行を合法化。 - 「飛行の許可・承認」の簡素化
指定された区域や用途に限って、許可取得を簡素化し、物流ドローンの実用化を後押し。 - ドローンポートや空域の整備
地方自治体と連携した実証実験が進み、公共インフラとしてのドローン基盤整備も進行中。
これらの制度変更は、企業がドローン事業を展開しやすい環境づくりに大きく貢献しています。
国の成長戦略におけるドローンの位置づけ
日本政府は、「成長戦略実行計画」や「デジタル田園都市国家構想」などにおいて、ドローンを重要産業の一つと明確に位置づけています。
▷ 具体的な政策・支援内容:
- スマート物流の実現:離島や山間部での物流ドローン導入に補助金を付与
- 災害対応の強化:国土交通省が災害時ドローン活用マニュアルを公開
- 研究開発補助:ドローンのAI制御技術やバッテリー効率化に向けた補助金支援
- 企業連携の促進:大手商社・IT企業とスタートアップの共同プロジェクト支援
このように、ドローン業界は政府の重点支援産業の1つとして確固たる地位を築きつつあります。
2025年に向けた展望と投資家への影響
2025年以降は、以下のような新たな市場開拓が期待されています:
- 都市部でのドローンタクシー・空飛ぶクルマ
- 老朽インフラの自動点検
- スマート農業における自動散布型ドローン
- セキュリティ分野での自律監視ドローン
これに伴い、ドローン関連企業の売上・株価の上昇も見込まれます。国策との親和性が高いため、「国策銘柄」としての位置づけも強まりつつあり、今後の投資妙味が非常に大きい分野です。

ドローン関連株に投資する際の注意点と戦略
日本国内のドローン産業は、国の後押しや技術革新により今後も成長が見込まれる注目分野です。しかし、ドローン関連株への投資にはいくつかの注意点があり、戦略的な視点での投資判断が求められます。
注意点①:ボラティリティ(値動きの大きさ)に注意
ドローン関連企業の多くは、成長期待先行の小型株であることが多く、短期的な値動きが激しい傾向にあります。
| 例:ドローン関連銘柄の値動き比較(2024年〜2025年初) | |————————–|——————–|——————| | リベラウェア(4266) | 約+250%上昇 | 材料発表直後に急騰後、急落も | | ACSL(6232) | 約+120%上昇 | レベル4対応型ドローン発表後 | | テラドローン(未上場) | 時価総額非公開 | IPO予定で話題性上昇中 |
これらの銘柄は材料が出れば急騰しますが、逆に業績不安や市場全体のリスクオフ局面では急落することも多く、長期保有にはリスク管理が必須です。
注意点②:黒字化・収益性を確認する
新興ドローン企業の多くは、赤字経営であるケースが多く、業績面での不安定さが否めません。投資を検討する際には、以下の点をチェックしましょう。
- 営業利益の黒字化時期
- 受注残高や売上高の推移
- 大手企業や官公庁との提携実績
たとえば、ACSLは自社開発機の納入先として国交省やNEDOとの連携があり、信頼性と将来性の両面で評価されています。
注意点③:テーマ株としての短期人気に左右されやすい
ドローン関連株は、「空飛ぶクルマ」や「自動配送」など夢のあるテーマ性で注目を集めやすく、SNSやニュースでバズると一時的に株価が急騰することも。
ただし、実需や収益に結びつかない段階で投資してしまうと、バブル的な下落に巻き込まれるリスクもあります。テーマ性だけでなく、事業の実態をよく調べたうえで投資することが重要です。
投資戦略①:分散投資でリスク管理
ドローン関連銘柄は個別で見るとハイリスク・ハイリターンな傾向が強いため、複数の銘柄に分散投資するのがおすすめです。たとえば以下のようなポートフォリオ構成が考えられます:
銘柄 | 主な強み |
---|---|
ACSL(6232) | 国内最大手、実証実績多数 |
リベラウェア(4266) | 狭所点検ドローンの技術力 |
イメージワン(2667) | 衛星・画像解析×ドローン |
自動制御系部品企業 | 電子部品・通信モジュール供給元 |
このように、事業領域や用途の異なる企業を組み合わせることで、テーマの成長性を享受しつつもリスクを抑えた運用が可能になります。
投資戦略②:国策銘柄としての中長期目線も有効
ドローンは日本政府の「成長戦略」や「地方創生」とも密接に結びついているため、中長期的には政策銘柄として安定した成長が期待できます。
とくに今後、物流や農業、警備、災害対応など社会インフラ化が進む分野に注力する企業に注目すべきです。
中長期での株価上昇を狙うなら、業績や財務体質がしっかりしている企業や、行政との連携が進んでいる銘柄を厳選するとよいでしょう。
まとめ:ドローン関連株は今後の成長が期待できる注目分野
日本国内におけるドローン産業は、物流・点検・警備・農業・災害対応といった多くの分野で社会インフラとしての役割が拡大しており、今後もますますの成長が期待されています。
とくに、政府による法整備・補助金制度・レベル4飛行の実現といった政策支援が後押しとなっており、ドローン関連企業にとっては「追い風のマーケット」が続くと予想されます。
2025年時点で注目すべきドローン関連の上場銘柄には以下のような企業が挙げられます:
銘柄名(コード) | 特徴 |
---|---|
ACSL(6232) | 国内最大級の産業用ドローンメーカー。官公庁との連携多数 |
リベラウェア(4266) | 狭小空間向けドローンに特化。点検・保守用途で需要増 |
イメージワン(2667) | 医療・衛星画像との連携で空間解析に強み |
トプコン(7732) | 測量・農業分野でドローン活用を進める老舗メーカー |
ブルーイノベーション(未上場) | 国内産業用ドローン開発企業。IPO期待も |
テラドローン(未上場) | 世界的評価を受けるドローンベンチャー。事業領域が広い |
このような企業は、それぞれ異なる分野でドローン技術を活用しており、用途の多様化と市場の拡大に連動した成長が見込めます。
とはいえ、ドローン関連株は「期待先行」で値動きが大きくなる傾向があるため、投資の際は次のような点に注意が必要です:
- 黒字化や事業モデルの信頼性を確認
- 短期材料に飛びつかず、中長期視点を重視
- 分散投資でリスクヘッジを行う
- 政策・補助金動向の最新情報をチェック
ドローン産業はまだ発展途上ですが、そのポテンシャルは計り知れません。未来のインフラを担うこの分野に、早めに注目しておくことは有望な投資機会につながる可能性があります。